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生きること、思うこと
第303章 感謝婦人
すると、それを聞いた感謝婦人はにっこりと微笑みながらこう言うのです。
「ありがたいことですね。神様に感謝ですね…」
私はここまで読んでみて、何が感謝なのだろうと思いました。
どう考えても20日間もの長雨です。
どこにどう感謝するのかわかりませんでした。
そこで暫く考えてみたのですが、いくら考えてみても感謝に値する事が思い浮かばなかったのです。
そこで、私は本を読み進めることにしました。
すると、どうでしょう。
感謝婦人はこう言うのです。
「この長雨をもし1日で降らせたならば、川は氾濫したりして、多くの人が困ったでしょうね。でも、限りなく優しい神様は、この長雨を20日間に分けて降らせてくださったのですね。ありがたいことですね。神様に感謝ですね」
これを読んだとき、私は衝撃を受けました。
この様に考えられる人がいたからです。
でも、話はここでは終わりませんでした。
このエッセイの中で三浦綾子さんはこうも言っているのです。
三浦綾子さんは、結核菌が脊椎に入って激痛を伴う脊椎カリエスという病気にも罹っていました。
脊椎カリエスは激しく背中が痛み、その激痛は相当なものだそうです。
晩年にはパーキンソン病も頂くことになるのですが、それについても愚痴や泣き言を言わない方でした。