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代車
第11章 智美 2
月曜
前田に、渡部君と呼ばれ前田の前に立つと
「営業がプレゼン上手く行ったんで本格的にプレゼンを
手伝って欲しいと言われ そちらおを優先して欲しいと」
言われ営業部へ向かった
月末まで残り3日 営業部に人は少なかった 部長の前に立つと
「今月は大丈夫だが」
「1課のプレゼンと 3課のプレゼンが来月前半に有るので
来月始まったら手伝って欲しい」
と言われ頭を下げ自分の席に戻り仕事を始めた
退社時間を過ぎ 渡部の席の周りだけ明かりが付いている
パソコンの画面を見ながら 動作確認をして不具合を確かめていると
ドアが開き
「差し入れです土曜日ご馳走様でした」橋本がコーヒーを抱え
入って来て渡部の席にコーヒーを置いた
「有難う」コーヒーを口に運びながら目は画面から動かない
一つ一つ画面を動かし 橋本は隣の席で
渡部の作業を黙って見つめていた
渡部が動かしていたマウスを離しパソコンの画面が暗くなると
壁に有る時計を見て 橋本に振り向き
「食事行こうか?」と言うと
「はい」 明るい顔で橋本が立ち上がった
街中のレストランまでの車中で 橋本は土曜の映画や
ぬいぐるみが嬉しかった
お寿司美味しかったと 楽しそうに話す
食事が終わり帰路に着く間も話していたが アパートが近ずくと
顔を落とし 言葉が少なくなった 車を止めると何か言いたそうなのを
渡部がお休みと促すと 寂しそうにドアを開け玄関に入って行った