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代車
第11章 智美 2
火曜日
午後社内がざわついた 企画部から総務に内線が入り欠勤していた
熊谷香織が警察に居ると 事実確認して貰いたいとの内容だった
飯田が顔色を変え 私行きますと前田の席に走り
前田は少し考え行く様にと 指示を出すと
飯田は更衣室にと走り去った
空から太陽が地面に姿を隠す頃
飯田に付き添われて 熊谷が社内に顔を出した
前田の前に立つと熊谷が
「この度はご迷惑をおかけいたしました」と頭を深々と下げ
飯田が口を開いた
「熊谷さんを追いかけて居た男性がしつこかったんで
バッグを振ったら顔に当たって 怪我させて警察に連れて行かれたと
婦警さんから教えて貰いました」
「怪我させた男性 名古屋でお店のお金持ち逃げして
指名手配されてたから 怪我が治ったら逮捕されるそうです」
「熊谷さんは悪くない誤解です」前田に説明した
前田は頷き
「企画室に行きなさい」飯田の顔を見ながら言った
飯田と熊谷がドアを開け出て行くと前田は
ほっとした顔で 椅子に深く腰をおろし息をついた