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代車
第14章 琴音
渡部の車が海岸に近づき 海が見えると
琴音は 目を輝かせ
「パパとママと来たこと有るよ」と得意げに話す
小さな商店が開いてるのを見つけ 琴音と入って行き
子供用の 小さなサンダルと プラスチックのバケツと
小さな熊手 スコップ
渡部も ビーチサンダルを購入し
少し走らせ 海沿いの駐車場へ車を止めた
潮干狩りも まもなく終わろうとしているが
砂浜には 沢山の家族連れが
思い思いに砂を搔いていた
琴音が バケツと熊手を持ち 海岸へと走り出す
渡部も後を追い 波打ち際で砂を掘る
琴音を 見ていた
一生懸命 砂を掘りながら 琴音は何か話し
砂の中の アサリを見つけ
渡部に見せると 波の中で砂を落とし
バケツに入れて 渡部に見せ
渡部が褒めると 照れた様に笑い
砂を掘り始めた
渡部は 琴音を優しく見つめ
砂浜に 小さな海の家が開いていた
琴音を連れ 海の家の座敷席に座り
焼きそばを 二人前頼み 琴音を見ていた
琴音はバケツの中に有る 三個のアサリを 時折手に取り
「琴音が 見つけたの」
「パパとママと来た時も いっぱい取ったんだよ!!」
渡部の顔を見ながら話し
「おじさんパパ見たい」と呟いた・・・