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そんなの聞いてない!!
第3章 ウソもホウベン
七隈と付き合うことになって1週間経った。
性欲のせいで業務に支障をきたすかも、と悩んでいた七隈は毎晩のように俺の上に乗って悩みのタネを解消させている。
そんな七隈がかわいくて仕方ない俺は、実は性欲強めなんだということを自覚した。
――絶倫、とまでは言わないけどさ。
七隈に求められれば求められるだけ抱くことができて、毎晩抱いてるくせに七隈のことを考えるだけで思春期の中学生かのように勃起しそうになる。
――あー……早く夜になんねぇかな。
少し離れた席で、俺の同期の市崎と肩を並べて仕事をしている七隈。
市崎も最近彼女ができてかなり浮かれてるようだし、七隈とどうこうなんて絶対にないと信じてるけど、正直……その位置を代わってほしい。
どんなときだって、七隈の隣にいるのは俺でありたい。
……なんて市崎にはぜってぇ、言わねーけど。
――はー……仕事すっか。
しばらく集中して急ぎの仕事を終わらせる。
カバンからスティックタイプのカフェラテを取り出して、給湯室へ向かう。
七隈も俺もブラックコーヒーが苦手で、このスティックタイプの微糖カフェラテをいっしょに飲んでから2人してどハマり。
それ以来、会社でもたまに飲むようになった。
とは言っても大抵、俺がお湯を注いで七隈の席に持って行ってるんだけど。
だから今日もそうやって持って行こうとカップにお湯を注ごうとしたとき、
「お疲れー」
後ろから急に話しかけられてビクッとした。
振り返ると市崎が立っていた。
「なんだ、市崎か」
「なんだってなんだよ」
「別に。おまえも飲む? 微糖カフェラテ」
「え、くれんの? めずらしー」
「まぁ、たまには。……あ、スティック2つしか持ってきてなかったわ。俺のやつやる」
カップを渡すと市崎はもう1つのカップをじっと見る。
「そっちは七隈の?」
「あ、うん」
「うまくいってよかったな」
「ん?」
ズズズとまるで汁物を吸うようにカフェラテを飲む市崎に首をかしげると、市崎はにやりとする。