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そんなの聞いてない!!
第1章 ウワサ
「その、業務に関することは直属の先輩に相談! って思っちゃったんです……」
シュンとする七隈。
もしかしたら、市崎に相談したのは間違いだった。なんて後悔してるのかもしれない。
「市崎に相談して、あいつはなんて?」
「しっかり話を聞いてくれた上で『俺は性欲ありあまってるから悪いけど役に立てないよ。俺じゃなくて、性欲ないって言ってる福浜に相談してみるのは?』と福浜先輩をすすめられまして……」
――市崎、グッジョブ!
「でも福浜先輩は性欲がないことに悩んでるかもしれないのに相談するのはどうなのかと迷ったんです……」
「ああ……なるほど」
――七隈ごめん。性欲ない、なんてウソなんだ。
「けど、まともに関わったことある男性って福浜先輩と市崎先輩くらいで……。こんなことお願いするなんて、頭がおかしいと思うんですが……この性欲をどうにかしたいんです。先輩、手伝ってくれませんか!?」
「…………」
――手伝う?
「えっと……言ってる意味が……?」
「あっ。ええと、つまり、ひとり……エッチを、手伝ってほしいんです……」
――え。え、えええええ!?
今、ひとりエッチって言った!?
それを俺が手伝うって……七隈容認の上で体にさわれるってこと……?
驚きのあまり声も出ない福浜に七隈は申し訳なさそうに苦笑する。
「驚かせてすみません。やっぱりこんなことお願いするのがおかしいし、先輩も困りますよね……。この話はなかったことに……」
「待って!」
引こうとする七隈にハッとして福浜が声を出す。
「七隈さ、自分が言ってることちゃんとわかってる?」
「え?」
「手伝うってことは、俺が七隈の体をさわるってことだけど……いいの?」
「……はい、わかってます。福浜先輩なら……大丈夫です」
恥ずかしそうにしながらも福浜の目をしっかり見て大丈夫だと言う七隈に、福浜は性的興奮が湧き上がってくるのを感じていた。