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青い煩い、少女の情動。
第2章 バスケ部室という、

その後私は20分遅れで教室に駆け込んだ。教室に入ると真っ先に美琴が

『大丈夫?なんかあったの?』

と聞いてきたが、
まさか本当のことなど言えず、

[大丈夫……。]

とお茶を濁すことしかできなかった。響君も不思議そうに私を見ていて、自らが犯したことへの恥ずかしさで消えてしまいたかった。幸いにもというか驚くべきことであるが、私が遅れて教室に入ってきたときに先生はそこにおらず、生徒が机に向かって勉強しているだけだったのだ。

[え?自習なの?]

『うん。なんか先生の体調が悪くなったとかなんとか……。』

助かった。先生に何故遅れたのか追及されると返答に困るので、僥倖というほかなかった。ふーっと安心して席につき、何事もなかったようにノートと問題集を開いて勉強を始める。

そうするうちに5時間と6時間目が終わっていった。

『ねぇ知ってる?3年の石田先輩と相川先輩付き合い始めたらしいよ。』

『へぇーそうなんだ。二人ともバスケ上手いし、美男美女だし、お似合いだね。』

『えー私、石田先輩の事狙ってたのにぃー』

私が所属する女子バスケ部の部室。そこでは部活前に女子バスケ部員がユニフォームに着替えながら、おしゃべりに花を咲かせている。制服を着ているときは可愛い下着をつけいているが、バスケをするときは皆んなスポブラと動きやすいショーツに着替えるのだ。男子の目を気にする気にしない以前に、見栄えを意識した下着というのは動きづらくて蒸れる。それに運動をすると汗でびしょびしょになってしまうので、運動する時は下着を着替えるのだ。私は昼休憩の後から替えの下着をつけているので、下着を着替えることはない。それを追及されないように他のメンバーに見えないようにササッと着替える。ユニフォームはブカブカに設計されていて、特に腕周りが開放的になっている。横から覗くとユニフォームと同じ色の質素なスポブラが見えるのだが、女子しかいない体育館で気にする人は誰もいない。他の部活と練習日が分かれているのだ。

[じゃあ先行って準備しとくねぇ。]

逃げるように更衣室を兼ねた女子バスケ部室を出る。
今日は濡れた下着で家に帰る羽目になるのだろうか。
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