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青い煩い、少女の情動。
第2章 バスケ部室という、
部活はそれなりにキツい。準備運動に始まり、ダッシュ練、基礎練、シュート練、3on3、と進んでいき最後がゲームだ。私のポジションはPGだ。背もあんまり高くないし、パワーもないので消去法的にそうなった。けれどドリブルにはちょっとした自信があってハンドリングとボディフェイントの技術はよく皆んなに褒められる。キュッキュッという音とダムダムという音。キャプテンの指示の声。交わる視線。大きく弧を描くボールの軌道。ネットを揺らすパサッという音。私は結構バスケが好きだ。終始動いてて、ホントに疲れるけど、楽しさはそれを上回る。
ピーという笛の音で、束の間の休憩がおとづれる。全身から噴き出す汗がポツンぽつんと床に落ちて、それにバッシュが触れてキュッと音が鳴る。
突然、
ガンッと音が鳴って、思わず入口の方向を振り返ると、そこには何故か生徒会の人と響君が並んで体育館に入って来ていた。
なんで?と思ってすぐさま2人に駆け寄る。
[どうしたの?なにか用事?]
汗まみれなので若干距離を取った場所で率直な疑問をぶつける。
『うん。体育館の定期点検に来たんだよ。』
[それって生徒会の仕事でしょ。どうして?響君生徒会だったっけ?]
はて?響君は生徒会に入っていただろうか。彼のことは結構知っているはずなのに。
『いや、生徒会ではないんだけど。教室にいたところをたまたま頼まれてさ……。』
響君が人の頼み事を断れない性格なのは知っている。けれど、たまたま教室に残っていた響君に頼むのだろうか。そう思案に沈んでいると
『私が頼んだんだ。響は私の幼馴染だからね。』
その言葉にギョッとして、慌ててもう1人の方を見る。響君の隣に立っているのは長い黒髪を携たいかにも清楚そうな女の子。生徒会のメンバーで名前は確か……そう、暁芽依。
[2人って幼馴染なの?]
落ち着かない心情でそう尋ねるも
『うん。そうだよ。』
と、当たり前でしょという風にサラッと返される。
『それじゃ、私たち仕事あるから』
と手を振って体育館の電気系統がある部屋の方へ去って行った。