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青い煩い、少女の情動。
第8章 布団の香り、

[やったっ。]

私はソファーから飛び上がる。両手を天井に突き上げて、喜びの感情を余さずに表現する。

『むっ……。』

悠寿君は黙りこくっている。手元のコントローラーをぽちぽちして、悔しさを発散しようとしているようだ。
[これで5勝、5敗。マリカーではボロ負けだったけど、スマブラはイーブンだね。]

スマブラ最終戦は私の勝利。ラストストック、悠寿君のルキナと私のヨッシーが相打ちになったが、ギリギリの差でルキナが先に撃墜したため、私の勝ちになった。

『……。』

悠寿君は依然黙ったまま。相当、悔しがっているようだ。

『ひさ、そろそろ寝ないと……。』

時計は既に10時を回っている。健康優良児はもう寝る時間だ。

[そういえば、2人ともどこで寝るの?]

全く考えていなかったが、私はどこで寝ればいいんだろう。布団は?

『2人とも子供部屋で寝るよ。うーんそうだな……来客用の布団とかはないから、僕が父さんの布団を使うとして、莉央は僕の布団で寝てもらっていいかな?後でリビングに敷くから、ここで……。』

[迷惑じゃない?私のソファーでいいけど……。]

『全然っ、父さんも母さんも旅行でいないんだし。寧ろ、莉央が僕の布団使うのが嫌じゃないか心配だよ。』

[全然大丈夫っ。寧ろ……]

『寧ろ?』

[いや、何でもない。]

敢えて補うなら、寧ろ嬉しい、と言った感じだろう。いや、寧ろ興奮する、とかの方が正しかったかもしれない。

『まぁいいや、それよりひさっ、寝るよっ。歯磨きして?』

『……』

悠寿君はまだ、いじけている様子だ。ここまで来ると流石に申し訳なさが募る。

『莉央とはまたいつでもできるじゃん。』

『じゃあ明日の朝する。』

『明日の朝は無理だよぅ。莉央帰っちゃうもん。』

『明日の朝っ!』

『だから……。』

響君が困ったように肩をすくめる。

[いいよっ。明日の朝、一戦だけなら。]

『いいの?』

[その代わり、一戦だけね。勝っても負けても文句言わないこと、約束できる?]

『うん。』

じゃあ約束っ、と私は悠寿君とゆびきりをする。私の小指と彼の小指が絡まる。細くて愛らしい指だった。

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