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青い煩い、少女の情動。
第8章 布団の香り、
『莉央、ありがとね……。』

響君は申し訳なさそうな様子。

[ううんっ、全然っ。私お世話になってる側だし。]

私はすぐに首を横に振ってみせる。実は私も悠寿君とスマブラがしたいのだ。彼の方が実力は少し上ながらも2人の実力はいい感じに拮抗している。楽しくスマブラができる実力差なのだ。

『ひさ、おやすみ』

[おやすみぃー]

私と響君が手を振って言うのを

『おやすみ……。』

悠寿君は少し、恥ずかしそうに、きまり悪そうに、言って、テトテトと子供部屋に向かっていった。そういうところがまた可愛い。

『さて、ひさも寝たし……ここからは僕の時間だね。』

響君は珍しくキザったらしい台詞を言って、場の空気を入れ替えた。先程までが子供に付き合う親の雰囲気であったなら、今からは大人のみでの計らいが始まるかのような、色気のある雰囲気だ。

[何するの?]

私は内心緊張していた。もしかしたら……なんてことも、想像しないわけにはいかない。

『もちろん、これ。』

そう言って、響君は両手一杯に抱えた本をドサっと机の上に置いた。考えれば当たり前だった。さっきもそう言っていたではないか……。

[今から読むの?]

『それも良いけど……。この中には莉央が読んだことのある本もあると思うから、その本の内容についておしゃべりしたいなー、と思って……。』

ある。それはまぁ大量にありますとも。もともと響君からおすすめされて読んだ本がほとんどなのだから、読んでいる本が被っていないはずはない。

[いいよ、どれからにする?]

『莉央はどれ読んだことあるの?』

[えっとー、まず、キネティックサイコロジスト、不条理なサイコロ職人、物理学的マクガフィン、結合ソーセージとかかなぁ。]

私は以前、文字に対してあんなに苦手意識があったのに、今ではすっかり本好きの仲間入りを果たしている。ひとえに響君のおかげだ。

『いいねっ、じゃあキネティックサイコロジストから話そうか。』

[うん。]

キネティックサイコロジストはミステリ小説だ。
著者は本格派ミステリ作家の朝西カルタ。
彼の特徴は精緻で丁寧な状況描写と、それとは対照的な飛躍のある会話表現。私も最初読んだ時は文脈の分からない会話が多すぎて、理解に苦しんだ。しかし、最近はだんだん分かるようになっていて、寧ろ会話のシーンのほうが好きになった。

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