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青い煩い、少女の情動。
第9章 曖昧な心

[はぁー、終わったーぁ]

チャイムがなって、解答用紙が回収された。
各生徒がおのおのの顔色でテストが終わったという脱力感に浸っている。

私は……

『それはどっちのおわった、なの?』

隣の美琴が顔を近づけて言う。

[残念っ、私今回は結構できたよ、]

美琴には全然及ばないけどねー

『ぇ、ほんとに?なんかあった?』

私がテストで上手くいったら、それはまさしく自然災害の予兆。美琴はそんなふうに認識しているのかもしれない。

[まぁ、響君に勉強教えてもらったから……]

『ぇ、いつ?』

[先週末、]

『どこで?』

[ひ、響君の家で……]

『えぇー莉央、そんなに関係進んでるの?実はもう付き合ってます……とかある?』

[それはないけど……、]

『けど……?』

[なんでもない!、はいこの話終わり!]

周りの女子からの視線が痛い。
皮膚を貫いて私の胃に穴をあけんとするような鋭い視線。

私は逃げるように教室を出た。

…………

すぱっ、

リングに触れずに、
ボールがネットの中に吸い込まれてゆく。

『ナイシュー、』

大粒の汗が額から滴る。乱舞する髪が試合の激しさを象徴していた。
シューズが奏でる甲高い音、ダムダム響く重低音。
そして女子部員の声が調和して上手くセッションを成り立たせている。
箱の中で、四方からの圧力に押されて凝縮された集中が共有されたビジョンのもと一つの譜面を完成させることだけに心血を注いでいた。

…………

『おつかれー。』

練習が終了して、片付けが始まった。
道具の片付けとモップ掛けに分かれて、疲労困憊の身体に鞭打って作業をする。

私は……何をしようかな、

と周りを見ると、
入口に響君の姿が見えた。
響君はすぐに私の元に寄ってきて

『お疲れっ、今日もかっこよかったよ、』

ポカリスエットを一本くれた……。

[ぇ、あ、ありがとう。どうして?]

困惑。響君が練習を見てたのも、ポカリをくれたのも、どっちも突然すぎて驚愕を隠せない。

『今日、一緒に帰りたいなって思ったんだけど……』

え!?

[ぇ、……方面、ちょっと違うけど……]

『いや、それは僕が遠回りするから、大丈夫なんだけど……。』

現状の理解が追いつかない。
精一杯頭を働かせてみると、

…………

私に利益しかなかった。

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