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雫の調べ
第3章 一滴の卑猥
瞬間、「ひっ!」と手を引いたが、意外だった汁の生温かさが脳に伝わり、これは間違いなく醜態を晒している太一のペニスから漏れ出た汁だと、興奮する自分を否定しながらも、手の甲に垂れた汚いそれを、ただうっとりと口をあけたまま見つめるのだった。

亀頭の根元に溜まった卑猥な液体は、一度溢れ出せば堪えられるはずもなく、二滴目、三滴目が落ちようとしていることに、さつきはまた目を見張った。

しかし、雫は落ちるも、勢いはなく、亀頭と雫の間に何やらいやらしい糸を引きながら、粘着を見せるまま、ゆっくり、ゆっくりと、垂れ下がっていったのである。

さつきは垂れ下がる雫と、その落下地点を予測しながら、思わず長い舌を口から伸ばせば、その舌先に卑猥な液体は静かに着地していったのである。

それは慌てることもなく、背けることもなく、ゆっくりとした時間の経過の中で、猥褻の否定、肯定を繰り返す脳の隙間に垂れ落ちる、ひとすじの卑猥な一本の糸を受け入れるように・・・。

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