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婚外恋愛
第6章 逢瀬その6
「結婚して何年になるの?」
「もうかれこれ5年ちょっとですね」
「5年かぁ、悩ましいな…」
「……」
美智はその言葉を聞くと黙ってしまった。
そんな話をしているととても寂しくなってきたのだ。
本当は夫の龍一と飲みに来たかったのに…と、心の中で美智は思っていた。
美智はグラスワインを一気に飲み干した。
「中嶋さん、またグラスワイン飲んでいいですか?」
「あぁ、いいよ」
そう言うとまたボーイを呼んでオーダーしてくれた。
美智は運ばれてくるグラスワインをかなりのペースで飲んでいった。
二人は美智が勤めていた時の話しで盛り上がっていた。
「うちのグループで保養所に一泊で旅行した時は面白かったぁ…」
「はい、あの時は本当に楽しかったです」
美智は派遣社員であるにも関わらず他の社員と共に会社の保養所などにも連れて行ってもらっていたのである。
「あの時は、帰りにみんなと江の島水族館にいったんだよな?」
「はい、行きましたね。楽しかった…」
美智はその時のことを思い出していた。
あの頃は本当に仕事もプライベートも充実していて楽しかったのだ。
そんな頃だった。
今の夫の龍一と出逢ったのは。