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第10章 一人だけの訪問

この章のあらすじ

数日後、教育実習も残りわずかとなった日に
学校に電話がかかってきて
由里に取り次いでくれと言う。

誰からだろうと受話器を取ると
驚くことに土方先生のお義母様である淑子からであった。

「ディナーをご一緒にいかが？
あ、言っておくけど、あなた一人で来てね」

『私ひとり？』

ああ…ついに不釣り合いだから別れなさいと
宣告を受けるのね…

私は渋々、迎えにきた黒塗りのベンツに乗り込んだ