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黒薔薇学園の白い百合たち
第13章 留美子と宗一郎

「おじさん、遅いわね」

「やっぱり僕らの期待どおりに
送り狼になっているんじゃ…」

「ないない!あの小心親父に限って
そんな事する度胸なんてないって!」

留美子は笑い飛ばして
グラスに残っていたビールをグイッと飲み干した。

「そんな事より、明日も早いんだし
そろそろお開きにしましょ」

私はそう言って
小皿を片付けはじめました。

「宗一郎くん、あんたも呑みすぎたんと違う?」

トイレに行くのに席を立つのもフラフラしていた。

「留美子、片付けはしておくから
あんたさあ、宗一郎くんを送っていってあげなよ」

「そうやね…ほんまに面倒のかかる男やわ」

きっと私が居候していなけりゃ
宗一郎くんを部屋に泊めてしっぽりしたいところなんだと思うと申し訳なく思った。

「そしたらついでに、お父ちゃんを探してくるわ
あの飲んだくれの事やから公園のベンチで酔いつぶれてるかもしれんし…」

「そうね、それがいいわ」

さあさ、早く送ってあげなよ
私はそう言って二人のお尻を叩いてあげた。

『みんなそれぞれパートナーがいていいなあ…』

お皿を洗いながら
ふと、土方先生を思い出していた。

『だめだめ!もう終わった恋なんだから!』

私はそう思いながらも
体の奥が土方先生を求めてジンジンしているのを
激しい水流でお皿の泡と共に流した。

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