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黒薔薇学園の白い百合たち
第14章 土方先生の落ち込み
「今日も物理は自習みたいだぞ」
誰ともなくそのように言った言葉にC組の教室はざわついた
教育実習生の由里ちゃんがやる気をなくして
登校をしないのはわからないでもないが
(なにせ受け持ったクラスがデキの悪い生徒ばかりだからやる気を失くすのもわからないでもないが)
それよりも担任の土方まで不登校だなんて
ふざけてやがるよな
誰彼ともなくそんな不満の声が上がっていた。
始業のベルと共に教頭先生がプリントを抱えて
C組の教室にやってきた。
「はいはい!自習は自由時間とは違うのよ
あなたたちはおとなしく席に座って
この問題集をやるのよ!」
しかし、誰一人として
プリントに目を落とそうともしない。
「教頭先生!」
みんなの不安を代弁するかのように
クラス委員の相楽 瞳が質問がありますと手を上げた。
「相楽さん、何かしら?」
「土方先生は何故登校をされないんですか?
そして、いつ頃、復帰されますか?」
「そ、それは…」
教頭先生は言葉に詰まった。
なにせ、土方先生にいくら連絡をしても
全く通話に応じてくれないからだ。
学年主任の岡本先生が土方先生の部屋へ様子を伺いに行ってくれたけど部屋に居るのか居留守を決め込んでいるのか、部屋の中から返事がなかったというのだ。
「復帰がいつになるかわからないけれど
あと何日か連絡がなければ
申し訳ないけど教師を辞めてもらうことになるわね」
教頭先生がそのように伝えると
「ええっ~!?」と蜂の巣を突っついたような大騒ぎになった。