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黒薔薇学園の白い百合たち
第14章 土方先生の落ち込み
彼女なんですと
自慢げに見せたのはいいが
それはツーショット写真でもなく
隠し撮りしたものだったので
全てがカメラ目線ではなかったので
宗一郎に「これ、隠し撮りだろ?ほんとは彼女でもなんでもなくストーカーみたいなことをしてるんじゃないか?」と
叱責されてしまった。
「ああ…あの写メの彼女は…
もう、とっくに別れました」
隣に香代がいるものだから
『別れた』という事を殊更に強調して言った。
- いや、付き合っていようが別れていようがどっちでもいいんだけど…
実はさあ…似たような女性と大阪で知り合ってさ…
-
「えっ?由里は大阪にいるの?」
突然に大きな声で叫んだものだから
隣で聞き耳を立てていた香代が驚いて体をビクン!っとさせた。
「えっ?なに?由里ちゃんの事?」
沢渡が『由里』と言ったものだから
香代は慌てて沢渡からスマホを奪い取って
宗一郎と話し始めた。
「すいません!私、高校で由里ちゃんから物理を教えていただいている者です!
由里ちゃんなんですか?本当に由里ちゃん?」
すごい剣幕で捲し立てたものだから
通話している宗一郎はタジタジになった。
- そうです、由里ちゃんのことで連絡しました -
見つかった!
もう二度と会えないかもと思っていた由里ちゃんの手がかりを掴めた!!
香代は喜んで沢渡にキスをした。