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黒薔薇学園の白い百合たち
第15章 由里との再会
宗一郎との通話を終えた香代は
小躍りしながら自分のスマホで
成美たちに連絡をした。
「見つかったわ!!
由里ちゃんの居どころを掴めたわ!」
香代の連絡は
クラスの連絡網を通じて
あっという間に全員に伝わった。
「え~と、では…誰が由里ちゃんを迎えに行くかを決めたいと思います」
クラス委員の瞳が
物理の自習の時間を利用して
クラス委員会を開いていた。
「みんなの由里ちゃんなんだから
みんなで迎えに行こうよ」
らいと君が、そうするのが当然だろと
みんなを鼓舞する。
「ダメよ!30人もゾロゾロと押し掛けちゃ
迷惑だし、統率が取れないわ」
愛美がもっともな意見を述べた。
「ここはひとつ、由里ちゃんを迎えに行くのに
うってつけの人がいるわ!」
香代が珍しく堂々と意見を述べた。
「うってつけの人?」
クラスがざわめきたった。
「それはやはり僕だろ」
らいと君が誇らしげに胸を張った。
「あんたはどうせ大阪観光したいだけでしょ!」
クラス委員の瞳にダメ出しをくらって
らいと君はしゅんとなった。
「で、うってつけの人って誰よ」
愛美が香代に真意を確かめた。
「土方先生よ!」
香代の言葉にクラス全員が納得したようにうなづいた。