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黒薔薇学園の白い百合たち
第15章 由里との再会
放課後、生徒たちが大挙として土方先生のマンションを訪れたものだから
管理人のおじさんは何事かと目を白黒させた。
「ダメだわ…やはり何度ドアをノックしても
うんともすんとも言わないわ」
愛美がドアをノックしすぎて
赤くなった拳をさすりながら諦めかけた。
「こうなったら奥の手よ」
クラス委員の瞳がそう言うと
管理人室の扉をノックした。
「なんだね?
揉め事はたくさんだよ」
大人数で押し掛けたものだから
管理人は困り顔でそう言った。
「土方先生の部屋を合鍵で開けて欲しいんです」
「ダメダメ!ご本人の了解なしにそんなことは出来ないよ」
ほら、やっぱりだめじゃん
らいと君は瞳が奥の手と言って意気込んだ事に対してダメ出しをした。
「どうしても先生を救わなければいけないんです!」
ダメだよと諦めかけるらいと君に肘鉄を食らわせて
瞳は管理人さんに食い下がった。
「救う?どういう事だい?」
管理人さんの言葉の風向きが変わった。
「もしかしたら…先生は部屋で自殺しちゃうかもしれないんです!」
「ええっ?ちょっと待ってくれよ!
事故物件になっちまうよ」
でまかせで言ったものの
瞳は自分の言葉に寒気を感じた。
土方先生なら、由里ちゃんを失ったショックで
本当に自殺してるかもと思ってしまった。