この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
黒薔薇学園の白い百合たち
第5章 私の初体験
下校時間ギリギリに私は成美たちから解放された
いや、解放せざるを得なかったのです。
あのまま視聴覚室に残っていては
見回りの警備員さんに
私たちが淫らな事をしているのがバレてしまいますから…
『男を紹介しろだなんて…』
憂鬱な私でしたが
そんな気分を忘れさせてくれるかのように
バッグの中のスマホに着信がありました。
- 日向先生、今夜の食事会ですが
何時がよろしいですか? -
うっかり忘れていました。
土方先生と食事に行く約束をしていたんだったわ
「先生、さっきまで野暮用をしていたので
まだ準備が出来ていないの
もう少し待っていただけますか?」
- ええ、それは全然構いません
なんたって夜は長いんですから -
まるでお泊まりデートのような誘い方です
それに気づいたのか土方先生も
- あ、別に今夜は帰さないぞっていう意味じゃありませんから -
そのように取って付けたような言い訳をした。
「わかってますわ
でも、今夜は何もかも忘れたい気分なんです」
そのように伝えると
受話器から『ゴクッ』と生唾を呑み込む音がした。
『余計なことを言って
期待を持たせちゃったかしら…』
「あ、変な意味じゃないですよ
いろんな事を忘れるほど飲んでみたいなあって意味ですから」
そのように伝えると
- そ、そうですね…
では、たくさん飲みましょう -
と、少しばかり気落ちしたような返事が返ってきた。