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黒薔薇学園の白い百合たち
第5章 私の初体験

下校時間ギリギリに私は成美たちから解放された

いや、解放せざるを得なかったのです。
あのまま視聴覚室に残っていては
見回りの警備員さんに
私たちが淫らな事をしているのがバレてしまいますから…

『男を紹介しろだなんて…』

憂鬱な私でしたが
そんな気分を忘れさせてくれるかのように
バッグの中のスマホに着信がありました。

- 日向先生、今夜の食事会ですが
何時がよろしいですか? -

うっかり忘れていました。
土方先生と食事に行く約束をしていたんだったわ

「先生、さっきまで野暮用をしていたので
まだ準備が出来ていないの
もう少し待っていただけますか?」

- ええ、それは全然構いません
なんたって夜は長いんですから -

まるでお泊まりデートのような誘い方です
それに気づいたのか土方先生も

- あ、別に今夜は帰さないぞっていう意味じゃありませんから -

そのように取って付けたような言い訳をした。

「わかってますわ
でも、今夜は何もかも忘れたい気分なんです」

そのように伝えると
受話器から『ゴクッ』と生唾を呑み込む音がした。

『余計なことを言って
期待を持たせちゃったかしら…』

「あ、変な意味じゃないですよ
いろんな事を忘れるほど飲んでみたいなあって意味ですから」

そのように伝えると

- そ、そうですね…
では、たくさん飲みましょう -

と、少しばかり気落ちしたような返事が返ってきた。

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