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私と彼の8日間
第13章 Ⅱ日目
梓はあのメガネをしていなかったのだ。
「..え、あ、メガネ..だとさすがに..せっかくの服がって..」
「....」
驚いた。
写真でケバい顔は見たことがあるけど、今の梓はほぼノーメイクに近い。
(可愛いところがあるじゃないか。)
恥ずかしそうにうつむく梓に、僕は何故か抱きしめたい衝動にかられそうになった。
そんな僕を不安げに見上げ
「メガネが良かったら..」
と鞄からメガネを出そうとするのを制する。
(僕のためにコンタクトにしてくれたんだ..)
嬉しかったけど、僕はごまかすように素っ気なくなってしまった。
「いい。それで。それより早く映画行こう?」
そういって梓の手を握って映画館に向かった。