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私と彼の8日間
第14章 Ⅲ日目

(どうせみんな同じことを言う..)

僕は大して期待せずに思った。

「んー..優しくて、頭が良くて、完璧なイメージ。きっとみんな思ってるよ。」

(ほらね。)

「..よく言われる。」

僕は開けかけていた目をまた閉じた。

「..でも、本当はジェットコースターが苦手で、身勝手で、優しい。」

その言葉にパッと目をあけ、梓を見上げると微笑んでいた。


「身勝手..?でも優しいってどういうこと?」


「8日間とか意味わかんないし、デートは強制的だし....あ、イヤとかじゃないよ?..急に予定変えるし..身勝手。でも..抵抗しながらも無理に私の乗りたいものに乗ってくれたから。」

「....」

初めていわれた言葉に戸惑った。

梓の嬉しそうな声が頭に響いてくる。

僕はもたれかかったまま身動きが取れずにいた。

その時僕は、梓の前では本当の姿で接していたことにようやく気づいたのだった。

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