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私と彼の8日間
第14章 Ⅲ日目
夜になり、梓の希望で最後に観覧車に乗ることになった。
(結局今日は梓の言うこと聞いてばかりだ。)
そう思いながらも、どこかイヤじゃない自分がいる。
人に合わせるなんて大嫌いな僕が、一人の女の喜ぶ顔一つで言うことを聞いてしまう。
でも観覧車に乗り込み、目を輝かせて僕に、綺麗だね!と言う彼女をみるとどうでも良くなった。
「ねぇ梓、今日楽しかった?」
僕が聞くと、大きく頷く。
「うん!楽しかったよ!また来たいなー!....あ、でも8日間の関係だもんね。」
笑いながら、少し寂しそうに答える梓。
(どうしてそんな顔するの?)
僕は抱きしめたくなって手招いた。
首を傾げながら、椅子から立って隣に座ると、ギュッと抱きしめる。
「!?..マサキくん?」
驚いた声が耳にかかる。
密着した体は少し震えていた。