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私と彼の8日間
第15章 Ⅳ日目
人の流れに押されるまま電車を降りると、すぐ目の前に海が広がっていた。

ふらふらしている梓の手を引きながら、駅を出ると急いで構内のトイレに向かう男がいた。

(さっきの奴か..)

じっと見ていると、急に手を離した梓が駆けていった。

「あ、梓っ!?」

驚いて追いかけようとすると、急に立ち止まって振り返った。

「うみー!マサキ君!海!」

子供のようにハシャぐ彼女に、僕はドキッとした。

その時、

「かわいいーあの子。」

隣を男たちがクスッと笑いながら通り過ぎた。

確かに梓は最近すごく可愛くなってる気がしてた。

劇的に顔とかが変わったわけではないけど、女らしさがでてきたのか、視線を飛ばしてくる男がチラホラいたのに気づいていた。

本人は自覚してないみたいだけれど。

僕は無邪気に笑っている梓が誰かに取られる気がして、小走りで帰ってきた彼女に素っ気なくしてしまった。


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