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私と彼の8日間
第15章 Ⅳ日目
砂浜に出ると、さっき注意したのにも関わらずサンダルを脱ぎ捨て、海に駆けていった。
(本当にお尻が見えてるよ梓..)
苦笑しながら、脱ぎ捨てられたサンダルを拾い、少し離れて座る。
パシャパシャ遊んでいる梓を眺めながら、僕は何となく気持ちが穏やかだった。
何度も振り返っては僕を海に誘う梓を、じっと見つめる。
クラゲやワカメを僕に見せて笑う彼女を、自然に緩んだ自分の顔も気にせず、そのままずっと見ていたかった。
「ねえ、何してるのぉ?」
女が2人僕を覗き込んできた。
「一人ぃ?」
僕は適当に笑って答えないでいると、梓にまた視線を移した。
「ねー無視しないでよぉ」
小さな面積で隠した胸をギュッと寄せて、僕に近寄ってくる。
(うざいなぁ..)
「一人じゃない。」
僕が目も合わせず言うと、え~..と二人が顔を見合わせた。