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私と彼の8日間
第15章 Ⅳ日目
いちごのかき氷を買うと梓に渡して、じっといすに座った。
サク..サク..とうつむいてスプーンを差し入れる姿を横目に、僕は海を見ていた。
無言で電車にのり、家まで送ると何もいわずに帰った。
梓は何か言いたげに何度も僕を見上げたけれど、気づかないフリをして呼び寄せていた車に向かった。
「お早いお帰りで。」
「ああ。」
運転手が車を発進させると、僕はじっと外を見た。
「梓....」
自分から突き放しておきながら、心が悲しみで覆われたようで、ずっとズキズキしていた。