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私と彼の8日間
第23章 私と彼とすれ違い

「マサキ君はなにがいい~?」

「…別に。何でもいい。」

「も~じゃあコーヒー二つお願いします。」

「かしこまりました!」

うれしそうな先輩の声を後ろに聞きながら私はボーっとグラスを磨いていた。
そのとき団体が入ってきて田所君が対応に回り、手の空いているのは私だけだった。

「すみませーん!」

「あ、はーい!」

(考えちゃだめ。今日と明日だけだし…!)

自分に言い聞かせ、呼ばれたほうの席に向かった。
そのとき顔を上げたマサキ君と目が合った。
一応笑うと、マサキ君が目を伏せた。

(無視された…?)

「…何でしょう?」

「ねね、君名前は?」

「…へ?」

「なーまーえ!っていうか、猫耳かわいいね~触らせてよ~」
 
男二人でクスクス笑っていて、カチンときた。

(冷静冷静…)

「そういうのはちょっと…」

「いいじゃん。こんな時くらいだよ?男にちやほやされんの。」
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