この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
私と彼の8日間
第23章 私と彼とすれ違い
「マサキ君はなにがいい~?」
「…別に。何でもいい。」
「も~じゃあコーヒー二つお願いします。」
「かしこまりました!」
うれしそうな先輩の声を後ろに聞きながら私はボーっとグラスを磨いていた。
そのとき団体が入ってきて田所君が対応に回り、手の空いているのは私だけだった。
「すみませーん!」
「あ、はーい!」
(考えちゃだめ。今日と明日だけだし…!)
自分に言い聞かせ、呼ばれたほうの席に向かった。
そのとき顔を上げたマサキ君と目が合った。
一応笑うと、マサキ君が目を伏せた。
(無視された…?)
「…何でしょう?」
「ねね、君名前は?」
「…へ?」
「なーまーえ!っていうか、猫耳かわいいね~触らせてよ~」
男二人でクスクス笑っていて、カチンときた。
(冷静冷静…)
「そういうのはちょっと…」
「いいじゃん。こんな時くらいだよ?男にちやほやされんの。」