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私と彼の8日間
第23章 私と彼とすれ違い
「梓…」
ザッー
僕は足音に気づいて振り返った。
「…おい。」
「何?何か用かな?」
怒りを抑えていつものように笑うと、胸倉をつかまれた。
「…失礼なお友達だね。田所みなと君。」
「お前どういうつもり?」
「…」
じっとにらまれ僕は目をそらした。
「逸らすなよ。…なんでこんな意気地のない男に榊原は…」
ため息をつくと、手を離した。
ちょっと距離をとって立つ。
「失礼な男だね。もしかしてさっきのも見てたの?」
「…何でミスキャンの件引き受けたんだよ。榊原がショック受けることくらい分かってただろ!?」
「君にとってはラッキーだったんじゃない?梓と近づけるし、一緒にいられる。」
「お前な…」
「梓も君の事好きかもしれないよ?良かったね。」
自嘲気味に笑って言うと、ザッと一歩踏み出してきた。