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私と彼の8日間
第23章 私と彼とすれ違い
「お前いい加減にしろよ・・!?」
「…でも梓は僕のモノだから。絶対離さないよ。」
「榊原はモノじゃないだろ…?とにかく本気じゃないならこれ以上泣かせるなよ。」
「君に言われたくない。僕たちの問題だ。」
そういって歩き出そうとすると、田所が口を開いた。
「…じゃあ俺も本気でいくから。榊原のこと、お前から絶対離してやる。お前みたいに嫉妬心ばっかで苦しめるようなことは絶対しない。大事にする。」
「…僕だって梓を傷つけたくないにきまってるだろ・・・」
(でも仕方ないんだ…)
立ち止まって振り返ると、田所がじっとこちらを見ていた。
「…榊原がお前守ってんのも知らずに良く言うよ。じゃあな。」
「まって!」
翻りかけた田所を僕は思わず引きとめた。
「僕を守るってどういうことだよ?」
「…別に。」
チラッとこちらを見ると、歩き出した。
(僕を…守ってる?梓が・・・?)
僕はそのままそこで立ち尽くしていた。