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私と彼の8日間
第26章 私と彼と…
「だからって…人の家でそんな飲まないでよぉ~~」
私は恥ずかしくて泣きそうになりながら、お母さんの手を引っ張った。
「マサキ君ママもお茶なのに!」
私が言うと、マサキ君ママが笑って首を振った。
「いいのよ、梓ちゃん。私が呼んだんだし。それに、私今はお酒飲んじゃいけないの。」
その言葉に私とマサキ君はじっとマサキ君ママを見た。
するといきなりマサキ君パパが泣き出した。
「うう~マサキぃ~清蘭さんなあ~…」
「な、なに…もしかして母さん…病気?」
マサキ君の顔が一気に青ざめる。
う~ん、と唸ったマサキ君ママに、私も手が震えてきた。
(病気…マサキ君ママが…)
「まあ病気…かな。」
「どこがわるいの?」
マサキ君が聞くと、マサキ君ママはふと笑ってお腹を指差した。
「…胃…もしかして胃ガンか何か…!!」
マサキ君が戸惑ったようにつぶやいた。
しかし私はマサキ君ママがニヤッと笑ったのを見逃さなかった。
(あれ…?)
ちょっと不自然に思ったけれど、マサキ君ママは悲しそうな顔をしてうつむいた。
「マサキ…母さんがいなくなったら寂しい?」
「…な、何言ってんの…」
マサキ君が真っ青な顔で言った。