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少し愛して
第14章 別れ
「掃除、洗濯はしなくていいから、食事だけ作ってくれない?」
千佳はこう答えた。
「掃除、洗濯はしてもいいけど、食事は作りたくないわ。だって、料理って愛情が無いと作れないもの」
そうなのだ。
千佳はもう佑貴に愛情を感じていなかったのだ。
だから、料理はできないと話したのだった。
家計の財布の紐を巡る主導権争いはこの後も続いて行った。
だが、最終的に千佳はこの主導権争いに負けたのである。
千佳はこの頃八重が残してくれた預貯金があった。
それを崩して生活していたのである。
そんな佑貴との言い争いがあった翌日の事…。
朝、起きると佑貴の姿はなかった。
テーブルに1通のメモ紙が置いてあった。
「塩釜に1週間行ってくる」
そうメモ紙には書いてあった。
それを読んだ時千佳はこの家を出ようと思ったのである。