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少し愛して
第14章 別れ
千佳は翌日から家を探しに近所の不動産屋に行った。
そこで、今住んでいるマンションからそう遠くない場所に一軒の平屋を見つけた。
そこに引っ越そうと思ったのである。
早々、不動産屋で賃貸契約をした。
そして、引っ越しの準備をし始めたのである。
荷物はそんなに多くはなかった。
殆どの物を今のマンションに置いてゆくつもりでいたのだ。
役所に行き離婚届の用紙をもらってきた。
その離婚届にサインをして佑貴が帰ってきたら渡すつもりだった。
千佳の精神状態は本当に不安定であった。
そんな不安定な状態で離婚届にサインしたのだ。
一時の気の迷いだったと言えよう。
それでも、千佳の気持ちは変わらなかった。
少し、佑貴と距離を置きたかったのかも知れなかった。
千佳は佑貴が塩釜から戻るのを待っていたのである。