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ラズベリーの甘い誘惑
第1章 王子様はお姫様を夢見る。
「だる……」

自室のソファーに腰掛け、手すりに頬杖をついている王子様は、本当に本当に気だるそうにそう呟きました。いつもの優しそうで爽やかな微笑を浮かべてる様子から一変、地を這うような低音ボイスに、見たものを全て凍りつかせてしまいそうなほど鋭く細められた目付き。王子様は連日行われるお嫁さん探しの舞踏会に、ほとほとうんざりしてしまい、本性が垣間見えてしまっているのでした。

全国各地から呼び集められた、見目麗しの姫君達。誰も彼も、王子様のお嫁さんになろうと、我先にと聞いてもいなのに自己アピールしまくりです。始めは、はいはい、うんうんと、愛想よく相手をしていた王子様でしたが、日を追う毎に加熱する女同士の熱いせめぎ合いに、疲れてしまいました。もう飽きてしまっているのです。

ならば適当にお嫁さんを決めてしまえばよかったのですが、これもなかなか、人生そうもうまくはいきません。なんせ王子様は、王子様であっても一個人、一人の男なのですから、立派に好みの女性像というものが存在します。

もちろん、それに当てはまる女性は何人かいましたし、この女性にしようと思ったことも何度もありました。ところがどっこい、いくら表向きの好みが一致したとしても、王子様には更に女性を天秤に掛けるのです。この天秤がつり合わなければ、王子様のお嫁さんにはなれないのでした。

それは、夜の営み、男女の交わり。つまり、身体の相性でした。性の一致でした。

身も蓋もないことを言ってしまえば、王子様は性行為が好きでした。意地悪でド変態で、少しサディスティックで、ちょっとマニアックな事が好きでした。女性を肉体的に支配して、いたぶって、弄って、泣かせることが好きでした。どうしようもないバカヤローでした。

王子様の目に適った女性は、その後直ぐにベッドインして相性を確かめます。王子様の変態的な要求、サディスティックな態度、その普段のギャップに驚いて、引いて、それはもうドン引きをして、性行為も何もあったものではありません。

天秤はずっと王子様に傾いたまま。だって、片方に乗っていた女性はみんな、逃げてしまうんですもの。ですから王子様のお嫁さんはなかなか決まらず、舞踏会は連日行われているのでした。



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