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欲しいんでしょ
第10章 おひるのおひさま
卓の腕にも力が入る。
「・・・やべ、めっちゃ嬉しい・・・」
小さな声が聞こえてきた。
多分、絶対あたしの方が嬉しいよ。
卓に気持ちを伝えただけなのに涙が後から後から流れて、止められなかった。
あたしがようやく落ち着いてきた頃、卓は頭を優しく撫でながら腕を離した。
「落ち着いた?」
優しく聞いてくる。
あたしが泣いてる時、卓はいつもあたしがしてほしい事をしてくれた。
いつも黙ってそばにいてくれる。
(ほんと、あたしの事分かってて、優しい。・・・バカだけど)
「大丈夫っ」
そう言って卓を見上げたら何だか恥ずかしくて顔を背けてしまった。
泣いたから多分顔がぐちゃぐちゃだ。
「早苗?・・・こっち向いて」
顔ぐちゃぐちゃなの分かって言ってるんだ。
笑いこらえきれてないし。
「ねえ、何であたしの告白遮ったの?」
話を逸らしてみた。