この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
欲しいんでしょ
第10章 おひるのおひさま
「嫌われたかと、思ってた」
声が震えてしまった。
あたしの本音はその言葉が引き金になり、どんどん溢れ出す。
「急にっ無視するし、目も合わせてくれないし、あたし、結構辛かったんだからっ・・・」
卓は頭を撫でてごめんと謝った。
「ほんとごめんな・・・。辛い思いさせて」
「・・・いいよ。だって多分卓の意思じゃないんでしょ?」
おそらく、愛実ちゃんの意思。
話によると卓は愛実ちゃんに脅されていたらしい。
全部、あたしのためだったんだ。
「ごめんね・・・」
「何で謝んだよ。俺が勝手にとった行動なんだから早苗悪くねーし」
卓は相変わらず優しすぎるよ。
止まりかけてた涙がまたあふれだした。
「あの、早苗?そろそろ返事聞かせてもらっていい・・・?」
不安そうに覗き込んでくる。
「好きぃ!大好きに決まってんじゃん!」
あたしはさっきより強く卓を抱きしめた。