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欲しいんでしょ
第10章 おひるのおひさま
卓はあれからあたしを無視している。
頑張ってなるべく話しかけているけど
早足でどこかに行ってしまう。
目も合わせてくれない。
そんなの初めての経験だったから、あたしもどうしていいのか分からない。
すごく、辛い。
「早苗、大丈夫?顔色悪いけど…三谷君と何かあったの?」
心配そうに見てくるれーちゃん。
相談したいって気持ちもあるけど、相談できる事ではない。
何でもないって首を振るしかなかった。
(あたし、これからどうすれば良いんだろ。どうしたいんだろ。)
自分に自分で問いかける。
あたしは何がしたいんだっけ。
あたしは、ただ、卓とまた仲良くしたい。
一緒にいたい。
(……そうだよ!)
うじうじしてるのってあたしらしく無いし、卓が無視出来ないくらい話しかければ良いんだ!
そうすれば、少しは話聞いてくれるよね?
あたしは早速放課後卓のもとへ向かった。