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欲しいんでしょ
第10章 おひるのおひさま
後ろを振り向こうか迷ったけど、結局あたしは卓にしがみつきながら前を向いていた。
「痛い。そして重い。」
気付けば卓の首を軽く締めている。
「あっ、ごめん。…って重いは余計だよ!」
背中が寒い。
痛いくらいの視線だ。
それを知ってか知らずか、卓は後ろを振り返った。
「うしっ、行くぞー。」
多分卓は気付いてない。
だって振り返った瞬間に愛実ちゃんの空気が変わったから。
「はい!」
満面の笑みで答える愛実ちゃん。
(女って怖い…)
私達はとことこと歩きだした。
愛実ちゃんはいつの間にか隣に来ている。
何となくだけど、表情が穏やかな気がする。
しばらくして卓が口を開いた。
「そういえば早苗は何でそんな焦って俺達のとこに来たんだ?」
(あっ……)
言わなきゃ。