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第10章 おひるのおひさま

卓は軽々とあたしを持ち上げた、
はず。


(…………。)




「卓、高い！これ結構怖いよ！」


「我慢しろよ。怪我してんだから。」



そんなやり取りをしてると背後から嫌な空気が流れてきた。


女の勘。



愛実ちゃんの憎悪みたいなものが、あたしに向けられている。




『あたしの卓先輩に触らないで』


『そのくらい歩けるでしょ』



『止めて』



頭に声が入ってくるみたいだった。




それをあたしは、複雑な思いで聞いていた。