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欲しいんでしょ
第10章 おひるのおひさま
また三人の間に静寂が訪れる。
「いや、何て言うか、まず空気を読もうか。」
あれ?あたしまた変な事言っちゃったのかな。
少し焦っていると卓の大きな手があたしの頭を撫でた。
「行かねえから。どこにも。」
(うわあ・・・今の笑顔はずるい)
自分の顔が熱くなるのを感じる。
「私を置いて別世界に行かないでもらえますかー」
ふてくされた声が聞こえた。
「早苗先輩、私はもう負けを認めます。」
ため息交じりにそう言い、あたしに近ずいてくる。
(何だろう)
一瞬だった。