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第9章 闇

妊娠した女には分かるのよ

お腹の子が誰の子かってこと

あなたも妊娠すれば解るわよ・・・

赤ちゃんのパパが誰かってこと

あらぁ・・・いけない、煙草やめなきゃいけないわね・・・




彼女はそういって席を立って店を出て行った

しばらくそのまま私は座っていたが

向かいの席のＯＬ３人の視線に居づらくなり席を立った

たぶん・・・話が聞かれてしまった・・・

店を出て駅に向かうつもりで街を歩いた

でも、私はそのあと病院で目が覚めた

赤信号なのにフラフラと歩いていたらしい

トラックとぶつかってしまいそのまま入院してしまった

怪我が小指の骨折ですんだのは近くにいた男性が

ぶつかりそうになった私を引っ張ってくれたからと警察官に言われた

でも、その人は立ち去ってしまったと・・・

そして入院したのは小指のせいでなく・・・理由はほかにあった

私は生まれるはずだった小さな小さな命を

気づいてもあげられないままになくしてしまっていたからだった

まだ、本当に小さな命に・・・

あの子がもし生まれていたら８歳のお誕生日は再来月・・・