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全部、夏のせい
第11章 パリの長い夜
そして、また、いくつかの夏が過ぎていった。


アダムとアリ少年は、中学生に上がるタイミングでスイスにある全寮制の一環教育の学校に進学することになった。

離れることが淋しくて、
かなり動揺したけど、

「アラムもアリも、同じ学校だったよ?
男の子は早く、自立させないとな。
イギリスとか、アメリカでも良いけど…」と、
お義父様に言われて、
そんなものなのかしらと思って、
私も自分を納得させた。


そのタイミングで、祖母も、
「日本に帰ろうかしら?」と言う。


「えっ?」


「子育てサポートも終わるし、
今度は久々に独りでのんびりしようかしらと思ってね。
真麻ちゃんはどうする?」と言われて、
考え込んでしまう。


「んー。
本部に異動出来ないか、打診してみようかしら?
そしたら、週末とか、
アダム達に会えるかもしれないし」と言うと、

「あら!
真麻ちゃん、全然、子離れ、出来ないのね?」と笑われてしまう。


そんな会話を聴きながら、

「そうなったら、
私もジュネーブに引っ越ししようかな?
アリ、引っ越し先をリストアップしておくようにな。
パリは、狭かったから、
もう少し大きな屋敷が良いな」と言う。


「お義父様?
広いとお掃除が大変なんですよ?」と言うと、

「メイドを雇えば良いだろう」と涼しい顔で答える。


私は小さい溜息をついた。



「ほら?
今のメイドもなんなら連れて行けば良いだろう?
アリのお気に入りの、
あの、通いの東洋人…」と言うと、
アリは何故か、少し慌てるような顔で咳払いをして、

「別にお気に入りでは…」と言う。


私はそのメイドさんには会ったことはなかった。
後ろ姿を見たことがある程度で、
こんな狭いアパルトマンで、通いのメイドさんを使うなんてと、
アリを揶揄うと、
いつも怒った顔をされてしまっていたことを思い出して、
クスクス笑ってしまった。
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