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全部、夏のせい
第13章 再会

ジュネーブでの生活は、平穏そのものだった。
仕事は本部の事務仕事中心で、
どこか現場に派遣というのも無くなってしまった。
それでも、アラムの消息を求めて、
隣国や更にその近隣の情報収集を続けていた。
アラムの母国は、
西側諸国の介入が功を奏して、
軍部政権は倒れ、
民主的な選挙で選ばれたリーダーが返り咲いて、
少しずつ安定してきていたようだった。
父王に対して、
帰国を促す声が国内でも上がっているそうで、
お義父様とアリは時々、深刻そうな顔で話をしていた。
でも、私を見ると、
いつもお義父様は柔らかい顔で微笑んで、
話を辞めてしまって、
「マーサが淹れる紅茶を頂こうかな?」と言って、
私にはその話を聴かせてはくれなかった。
母国に戻るのであれば、
私もついて行くつもりだった。
埋葬されているという、あの時の骨の再鑑定をして、
「アラムではなかった」ということを証明して、
改めてアラムをもっと積極的に探したいと考えていた。
仕事は本部の事務仕事中心で、
どこか現場に派遣というのも無くなってしまった。
それでも、アラムの消息を求めて、
隣国や更にその近隣の情報収集を続けていた。
アラムの母国は、
西側諸国の介入が功を奏して、
軍部政権は倒れ、
民主的な選挙で選ばれたリーダーが返り咲いて、
少しずつ安定してきていたようだった。
父王に対して、
帰国を促す声が国内でも上がっているそうで、
お義父様とアリは時々、深刻そうな顔で話をしていた。
でも、私を見ると、
いつもお義父様は柔らかい顔で微笑んで、
話を辞めてしまって、
「マーサが淹れる紅茶を頂こうかな?」と言って、
私にはその話を聴かせてはくれなかった。
母国に戻るのであれば、
私もついて行くつもりだった。
埋葬されているという、あの時の骨の再鑑定をして、
「アラムではなかった」ということを証明して、
改めてアラムをもっと積極的に探したいと考えていた。

