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全部、夏のせい
第13章 再会
二人のアリが戻って、
アラムがお湯を沸かす。


私はバッグに入れていたインスタントコーヒーを淹れてアラムとアリに渡す。

そして、自分と小さいアリには少なめにミロを淹れて、少し冷まして、

「ママンも少し飲めるかも。
スプーン、ある?」と訊いて、
小さいアリとベッドの方に言って、
異変に気づいて、
持っていたカップを落としてしまう。


「アラム、来て?
呼吸が…」と言って、
小さいアリを抱き締めると、
アラムがすぐに来て、
首筋と手首で脈を取って、
首を小さく横に振った。


「そんな…」と呟いて、
小さいアリを強く抱き締めると、
アリは私をおずおずと抱き返してくれる。


「でも、笑ってる…。
さっき、何かあったら、
アリを僕達でって話してたのを聴いてたのかもしれないな」と言って、
小さいアリと私をフワリと抱き締めると、

「アリ。
長(おさ)の処に報告に行かないと。
車、出してくれるかな?
マーサは、アリとここに居てくれる?」と言って、
二人は小屋から出て行った。


私は少し冷めたヤカンのお湯を、
綺麗な布に浸して、
顔を清めるように拭いていった。


そして、新たに布を出して濡らすと、
唇をそっと湿らせるように拭いた。


「ママンは?
ネンネしてるの?」というアリに、
上手く説明出来なくて、

「そうだ。
何か歌を聴かせて?
ママンにも聴かせてあげましょうね?」と呟くように言うと、
アリは少し得意そうな顔で、
現地の言葉で短い歌を歌ってくれた。
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