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全部、夏のせい
第18章 エクスへ

この夏は本当に連日、猛暑で、
8月の半ばを過ぎても、熱帯夜が続いていた。
レオンとの夜のせいか、
私はあまり眠れないことが多くて、
時折、身体が熱くなったり、
とてもリアルで官能的な夢を観て目を覚ましたりして、
ぼんやりしてしまう朝を度々迎えていた。
食欲もあまりなくて、
胃腸が疲れてしまっているのか、
吐き気がしたり、
立ち眩みがする日も多く、
違和感を覚える。
でも、とにかく、パリでの契約のことと、
私とアラムで立ち上げた学校や女性支援の為のプログラムの準備が忙しくて、
自分の身体を構うことが出来ないまま、
渡欧の日を迎えることとなった。
お義父様が会いたいとずっと言っていたので、
先にスイスに立ち寄ってから、
一緒にパリに行くことも決まっていた。
それで、最小限の荷物を手に成田に向かった。
機内持ち込みにしたのは、
アラムが結婚の記念にとエクスで買ってくれたクロコダイルのバッグにした。
アラムが一緒に居てくれるような気持ちになることで、
契約を成就させたいと考えたからだった。
スイスに到着すると、
いつものようにアリの運転で、
お義父様も迎えに来てくれて、そのまま屋敷に向かった。
「ん?
マーサ、具合が悪いのかな?
顔色が良くないし、
少し痩せたみたいだけど…」とお義父様に言われてしまう。
「夏バテだと思います。
久し振りに蒸し暑い日本の夏を過ごしたので…」と言うと、
心配そうに手を握り締めてくれた。
運転席からアリも振り向いて、
「マーサ、大丈夫か?」と言うので、
「大丈夫よ?」と笑ってみせた。
8月の半ばを過ぎても、熱帯夜が続いていた。
レオンとの夜のせいか、
私はあまり眠れないことが多くて、
時折、身体が熱くなったり、
とてもリアルで官能的な夢を観て目を覚ましたりして、
ぼんやりしてしまう朝を度々迎えていた。
食欲もあまりなくて、
胃腸が疲れてしまっているのか、
吐き気がしたり、
立ち眩みがする日も多く、
違和感を覚える。
でも、とにかく、パリでの契約のことと、
私とアラムで立ち上げた学校や女性支援の為のプログラムの準備が忙しくて、
自分の身体を構うことが出来ないまま、
渡欧の日を迎えることとなった。
お義父様が会いたいとずっと言っていたので、
先にスイスに立ち寄ってから、
一緒にパリに行くことも決まっていた。
それで、最小限の荷物を手に成田に向かった。
機内持ち込みにしたのは、
アラムが結婚の記念にとエクスで買ってくれたクロコダイルのバッグにした。
アラムが一緒に居てくれるような気持ちになることで、
契約を成就させたいと考えたからだった。
スイスに到着すると、
いつものようにアリの運転で、
お義父様も迎えに来てくれて、そのまま屋敷に向かった。
「ん?
マーサ、具合が悪いのかな?
顔色が良くないし、
少し痩せたみたいだけど…」とお義父様に言われてしまう。
「夏バテだと思います。
久し振りに蒸し暑い日本の夏を過ごしたので…」と言うと、
心配そうに手を握り締めてくれた。
運転席からアリも振り向いて、
「マーサ、大丈夫か?」と言うので、
「大丈夫よ?」と笑ってみせた。

