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全部、夏のせい
第19章 二度目のプロポーズ、そして

その場に居る全員の視線が、
私に向いているのが嫌でも判る。
長い沈黙。
何も言えないままの私。
その沈黙を、レオンが破った。
「マーサ、本当に?
赤ちゃん、出来たの?」
ああ。
終わってしまった。
レオンはこれで、
私から去ってしまう。
こんなに歳上の女との間に子供だなんて。
父親になる覚悟なんて出来なくても、
レオンを責めることは出来ない。
そんなの当たり前。
だから、
私が独りで育てていく。
そう決めていたじゃない。
それを口にしようとしたけど、
唇が震えてしまっていて、
実際のところは何も言えないでいる私を、
レオンは抱き締めて、
額にキスをする。
「あの、夏の夜に、
授かったんだね?
嬉しいよ。
だったら絶対に、
答えは、ouiだよね?」
「でも、私…」
「えっ?
何?
マーサ、産みたくないの?」
「だって私、
40過ぎてて…」
アダムがおっとりした口調で、
「初産じゃないし、
医学的には別に問題ないでしょ。
まあ、ダウン症とかのリスクは、
若い妊婦さんよりは高いけど」と言う。
「違うの。
勿論、産みたいけど、
私、独りで育てるつもりで…」
「えっ?
なんで?」とレオンが言う。
「だって、こんな歳上の女じゃ、
結婚なんて…」
と震えてしまうと、
アリが呆れたような声を出した。
私に向いているのが嫌でも判る。
長い沈黙。
何も言えないままの私。
その沈黙を、レオンが破った。
「マーサ、本当に?
赤ちゃん、出来たの?」
ああ。
終わってしまった。
レオンはこれで、
私から去ってしまう。
こんなに歳上の女との間に子供だなんて。
父親になる覚悟なんて出来なくても、
レオンを責めることは出来ない。
そんなの当たり前。
だから、
私が独りで育てていく。
そう決めていたじゃない。
それを口にしようとしたけど、
唇が震えてしまっていて、
実際のところは何も言えないでいる私を、
レオンは抱き締めて、
額にキスをする。
「あの、夏の夜に、
授かったんだね?
嬉しいよ。
だったら絶対に、
答えは、ouiだよね?」
「でも、私…」
「えっ?
何?
マーサ、産みたくないの?」
「だって私、
40過ぎてて…」
アダムがおっとりした口調で、
「初産じゃないし、
医学的には別に問題ないでしょ。
まあ、ダウン症とかのリスクは、
若い妊婦さんよりは高いけど」と言う。
「違うの。
勿論、産みたいけど、
私、独りで育てるつもりで…」
「えっ?
なんで?」とレオンが言う。
「だって、こんな歳上の女じゃ、
結婚なんて…」
と震えてしまうと、
アリが呆れたような声を出した。

