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全部、夏のせい
第20章 エピローグ
リビングの立派なマントルピースの上に飾られた写真たちをぼんやり見つめていると、

「マーサはちっとも変わらないね?」と、
レオンが微笑みながら言う。


ロザリーの結婚式。
私とアラムの結婚式。
レオンの子供時代。
そして、今回の結婚式。
銀の額に入れられた写真達が並んでいた。




「あら!
そんなこと、ないわ?
出産も久し振り過ぎて、なかなか思うように動けなくて、
ごめんなさい」と言うと、
屈んでキスをして、耳元で囁く。


「今夜はマーサのこと、
抱きたいな?
でもさ。
まだ、お腹の傷、痛いよね?」


耳まで紅くなる私を観て、

「マーサはいつまでも可愛いな。
ねえ?
今夜はママンに、アラムを預けようね?」と言って、
本当にその場で、
ロザリーにそう告げた。


ロザリーが子供を抱き上げてウィンクをして部屋から出て行くと、
耳朶をそっと噛んでから、

「なんて甘い香りがするんだろう」と囁いて私を抱き上げて寝室に運んだ。



そう。

レオンは、私達の息子に、
アラムと名付けようと強く言ってくれた。

複雑な想いもあったけど、
一番大切だった人の名前を、
一番大切な僕達の天使に名付けて、
いつも名前を呼べるようにしようとレオンは引かなかった。



いつか、この子が大きくなったら、
自分の名前の由来になったアラムのことを、
話してあげる日が来るのだろう。

実は、レオンにもあまり、
アラムの話はしていない。

その日が来たら、
二人に話せるのかどうかも判らないと思っていた。





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