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全部、夏のせい
第20章 エピローグ

おまけに、
「マーサとレオンが気にならないなら」と言って、
お義父様とアリも、
スイスの家を引き払って、
同じ敷地の中に屋敷を構えることになった。
そして、アリは、
「レオンを補佐してやる」と言って、
一緒に仕事をすることになった。
アダム達は、そのままアメリカで暮らすか、フランスに戻るかは、
すぐには決められないと言っていたけど、
リルは少しでも近くにと思って、マルセイユの学校に転校することになった。
「ほら!
みんな、ちゃんとレンズを観て!」と、
カメラマンさんが何度言っても、
気ままにあちこち観ては、
笑ったり、ハグをしたり、キスをしたりして、
いつまでたってもキチンとした集合写真が撮れずにいて、
カメラマンさんは天を仰いで、
「これが最後ですよ」と言って、
シャッターを切っていた。
ロザリーと二人、一針一針、丁寧にチュールにお花を留めつけて仕上げた、あの思い出のヴェールを、
まさか再び身につける日が来るとは思わなかった。
しかも、隣で微笑んでは私と息子を優しく抱き締めて何度もキスを落としてくれるのが、
ロザリーの一人息子になるなんて!
そう思いながら、私はそっと瞳を閉じた。
「マーサとレオンが気にならないなら」と言って、
お義父様とアリも、
スイスの家を引き払って、
同じ敷地の中に屋敷を構えることになった。
そして、アリは、
「レオンを補佐してやる」と言って、
一緒に仕事をすることになった。
アダム達は、そのままアメリカで暮らすか、フランスに戻るかは、
すぐには決められないと言っていたけど、
リルは少しでも近くにと思って、マルセイユの学校に転校することになった。
「ほら!
みんな、ちゃんとレンズを観て!」と、
カメラマンさんが何度言っても、
気ままにあちこち観ては、
笑ったり、ハグをしたり、キスをしたりして、
いつまでたってもキチンとした集合写真が撮れずにいて、
カメラマンさんは天を仰いで、
「これが最後ですよ」と言って、
シャッターを切っていた。
ロザリーと二人、一針一針、丁寧にチュールにお花を留めつけて仕上げた、あの思い出のヴェールを、
まさか再び身につける日が来るとは思わなかった。
しかも、隣で微笑んでは私と息子を優しく抱き締めて何度もキスを落としてくれるのが、
ロザリーの一人息子になるなんて!
そう思いながら、私はそっと瞳を閉じた。

