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全部、夏のせい
第4章 第二夫人?
ノックが聴こえて、ヨロヨロと起き上がる。
なんとか少しずつ歩くけど、その度にドクトクと経血が出て下腹部が痛む。


ドアまでたどり着いて開けた途端に、
貧血で倒れそうになる。

大きな手が咄嗟に支えてくれて、
抱き抱えられてベッドに運ばれる。


「マーサ、大丈夫?
救急車、呼ぼうか?」と、携帯を取り出しているアラムを慌てて止めた。


どこの国であっても、
生理痛で救急車は呼ばない。


仕方なく、ちゃんと言わないと、
本当に救急車やお医者様を呼んでしまいそうなアラムに、
酷い生理痛なだけだと説明した。


「それ、何か重篤な病気が隠されてないの?」と言われて、

「1ヶ月おきに、辛い時と大丈夫な時が交互に来るだけだから、
大丈夫!」と更に説明すると、

「その、酷い時の原因が…」と言うので、

「お願い。
背中、撫でてくれる?」と言ってみた。


アラムは、床に膝立ちして、
背中と腰の辺りを優しく撫でてくれる。


そうしているうちに、
薬が効いてきたのか、少しだけ眠れた。



そして、アラムは私が眠っている間に何処かに電話をしているようだったけど、
私はそんなことにも気付かず、
丸まって眠っていた。
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