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第19章 １９

それからしばらく、涼子は例の如く「ハァハァハァ」と呼吸を乱して、正面の壁際に並ぶ衣類収納箱を、呆然と見つめた。

その何の変哲もない収納箱の“無機質”な性質を認めながら、今の自分の下半身で起こっている事実をも“冷静”に、確認しようとしていた。

（涼子のオマ×コが、レンヤ君の唇の、上にある……）

しかしながら、どれだけ“冷静”であろうと努めても、結局のところ無理だった。

レンヤの美しい唇に自身のはしたない秘部を載せている、その罪悪感と等しいだけの興奮が、涼子の全身を包み込んでいた。

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時にレンヤも、しばらくは静かに過ごしていたが、やがて「フフフッ」と笑って、涼子の水着の秘部を載せている唇で、囁いた。

「涼子のマ×コ、すごく熱いよ……水着の上からでも、マ×コの熱さがオレの唇に伝わってくる……」

涼子はそこにある些細な変化を、見逃さなかった。

（“マ×コ”――？！）

ただでさえ猥褻極まりない単語なのに、丁寧表現の接頭語“オ”が省略されればいよいよ粗野になる――その粗野な響きに耐えられず、涼子は思わず悲鳴を上げた。

「いやぁぁん！！……『マ×コ』って言い方は、止めてッ！……せめて『オマ×コ』って、言ってッ……」

それが中々に馬鹿らしい苦言だと涼子が思ったのは、全てを口に出したその後のことだった。

一方、涼子の苦言を受けたレンヤは、省略した“オ”の代わりに、別の形容詞を添えて今一度、囁いた。

「涼子の“スケベ”マ×コ、すっごく熱い……」

「やあぁぁっ……」

涼子はまた悲鳴を上げたが、レンヤは意に介さず、続けて囁いた。

「じゃあこれから、この“スケベ”マ×コを、オレのキスで“ドスケベ”マ×コにしてあげるね……？」

（“ドスケベ”マ×コ……）

ここでも涼子は悲鳴は上げた。

「いやああ――」

しかしその悲鳴は、鋭利な刃物で切り取られたように、一瞬で立ち消えた。

悲鳴の途中で、突き上がったレンヤの舌が水着を被って、ヌプッっと涼子の秘裂にのめり込んだのを、感じ取ったからだった。