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第40章 ４０

「真由子先輩……次は、私が『ペロッ』って言っても、いいですか……？」

そこには、“甘噛み”による『三点責め』の、二度目の実行が示唆されているが――それを聞いて真由子と千春もまた“不適な笑み”に戻って、そして真由子が答えた。

「勿論、いいわよ……」

然る後に真由子が、三人の男子に指示を出した。

「さあ、みんな……噛んであげて……」

すると三人の男子もまた一様に“不敵な笑み”を浮かべて、めいめいがその部分を、柔らかく噛んだ。

「クッ！！」

瞬間、涼子は僅かに声を漏らしたものの――それだけだった。

迂闊に声を出してしまえば、それだけで不注意に身体を震わせてしまいそうで、それ故に声を上げることすら躊躇われる恐怖が、否応なく涼子を沈黙させた。

　　　　　　　　　　　　　　　☆☆☆☆☆

それから早苗は、実に真由子の二倍近くの長さ、沈黙を保った。

接ぐんだ唇と、涼子を見つめるその視線に、例の如く“意地悪”な笑みを湛えているのみだ。

然ればその間、涼子は心中で必死に、早苗に今の心情を訴える。

（こ、怖いッ！怖いわッ！！――こ、怖い――ッ！！）

合わせて、こう願うことしか、出来なかった。

（お願いッ！！佐倉さん、早く『ペロッ』って、言って……）

　　　　　　　　　　　　　　　☆☆☆☆☆

涼子がそんな嘆願を、果たして三十回は繰り返した頃だろうか――じっと静止していた早苗の唇が、微かに動いた。

「ペロッ……」

囁くように、その言葉が放たれた――刹那、涼子に恐怖のみを与えていた、“悪魔”のそれのような三人の唇が、“天使”の如き慈愛に、満ち溢れた。

涼子の二つの乳首とクリトリスが、温かい舌に包まれて、然る後に“はらり”と跳ね上げられる。

その際、涼子はやはり息も出来ない快感に沈黙を強いられつつ――ビクゥゥゥン！！――と身体を仰け反らせた。

その後、やっとの思いで呼吸に及んだのだが、その直後に事態は予想もしない方向に進んだ。

早苗が、もう一度、囁いた。

「ペロッ……」